グラスの種類によってビールの泡立ちや泡持ちは大きく異なります。そこで管理人は |
ビールの泡とは(薀蓄の真実度)
巷に流布する薀蓄や説 | 真実度 | 管理人の検証、調査 |
ビールに泡(ヘッド)は必須だ! | ★★ | リアルエールの様に泡立ちにくいビールや泡立たないビール でも美味しいものがあります。ヘッドがなくても美味しいの であれば泡は必須とまでは言えないと思います。ただし、 発泡性は必須です。プライムシュガー添加前、つまり、瓶詰 前の、微~無発泡ビールを飲んでみましたが、とてもビール とは思えませんでしたから! |
ビールの泡の形は14面体である! | ★ | よくビールの泡の形はケルビンの14面体(四角形6個、 六角形8個)と言われているようです。グラスの中の泡 をつくづく観察しても14面体はなかなか見つかりません。 これは、全ての泡のサイズが等しい場合での古典的な物理 からの導出ですが、最近のシミュレーションでは12面体 が主で14面体がサブ的に存在する時が安定のようです (平均13.397面体)。さて現実は 泡の写真参照!! |
ビールの発泡はグラスの傷や凹凸から 発生する! |
★★ | 単純には正解です。そう観察されます。力学的にも均一な 平面よりもデコボコの方が発泡に要するエネルギーが小さ くてすみます。しかし、実はビールの発泡は気泡核 (目に見えない気体の泡)からしか発生しないとのこと (文献1参照) 泡の中にある気体は勿論ビールに溶けていた二酸化炭素 です。開栓とともに圧力が下がり溶存し難くなった二酸 化炭素が気泡核(空気)と触れることで孤立した泡が発生 します。 |
ビールの泡立ちや泡持ちには セラミックのマグが最適だ! |
★ | 特に釉薬が少ないか、ないマグがよく推奨されています。 確かに多孔質であり気泡核が多いため、グラスからの泡立 ちはよいと言えます。(ただし、マグの表面性状の影響大) そのため発泡が持続し泡持ちも良いと推定されます。しかし 多くの誤解の根源なのですが、一般家庭でのビールの 泡立ちは、ほぼ100%注いでいる最中の空気の 大量巻き込みによる気泡核からの発泡です。従って、 注ぎ時以降のグラス内からの泡の発生など無視できるほ ど少ないと言えます。 泡立ちと泡持ちの動画参照!! |
グラスの油汚れは泡持ちを悪くする! | ★ | 本当に油付着が泡立ちに影響するのか?検証しました。 これは驚き!! なんと大した影響がない!! 油付着グラスでの実験参照!! |
グラスは洗浄後よく乾燥させないと 泡立たない! |
★ | 洗浄後の水が付いたグラスにビールを注いでみても直ぐに 分りますが、泡は良くたちますし、泡持ちにも影響しま せん。 |
グラスに付着した布巾などの繊維は 泡立ちに悪い! |
★ | 布巾などの繊維は気泡(核)を含みやすく、そこから泡が 断続的に発生しますので、泡立ちや泡持ちが悪くなるという ことは全くありませんが、そもそもグラス内にゴミが入っ ているのは嫌なものですが。 |
グラス洗浄後の洗剤残りは泡立ちに 悪影響がある! |
★★ | 泡立ちはとにかく、試しにピルスナー1/2パイントに に中性洗剤1滴添加してみました。うーん!泡は消えない が、濁りが発生!! もう飲めません! |
ビールの泡はビールより苦い! | ★★★ | シャンパンも開栓後の圧力低下で気泡核を核にして溶存して いた二酸化炭素が泡となって発生しますが、あっという間 に液面で消失してしまいます。でもビールの場合は何故、 それが保持されるのでしょうか? 泡を構成している物質に秘密があります。洗剤も泡立てた 卵の泡もそうですが、表面張力を下げる効果のある界面活 性剤の存在があります。ビールの場合その界面活性剤は 大麦のたんぱく質(泡タンパク)です。このたんぱく質は、 ホップのルプリンの中のフムロン(α酸)と引きあって いるとのこと。そのため、苦味成分であるこのフムロンも 泡に多く存在することになります。 泡とビールを飲み較べてみると分るのではと思います。 |
プロがサーバーで注ぐのと一般家庭で 瓶や缶から注ぐのとではビールの泡に 差がある! |
★★★ | プロの場合、ビアサーバーで注ぎます。家庭の場合と異 なり注ぎ時の発泡でヘッドを形成するのではなくビール と泡は別々に注ぎます。従ってビール内炭酸の含有量が 家庭より多くなります。そのため液中内上部に多量の 気泡核(長時間存在)が形成されます。この気泡核は濁っ て見えます。この濁り部分をサントリーではスモーク バブルス、サッポロではフロスティーミストと称します。 この気泡核からは常に一定の発泡があり泡持ちに寄与 します。 |
ビールの泡は浮く | ★ | 液体より泡ははるかに比重が軽いため当然浮くはずです。 ところが、ギネスをグラスに注ぐと、物凄く細かい泡が液 中を沈んでいくのが見えます。つい最近の高精度な流体力学 系のシミュレーションができるまで、多くの物理学者を 悩ませ続けたようです。 ギネスの泡動画参照!! また、ギネスでなくても液中ではないのですが、ヘッドの 中で泡が沈むのが注いだ直後にたまに観測できます。 |
ビールの泡の役割は酸化防止、アロマ 散逸防止である |
管理人は検証できませんです。酸化速度や酸化の程度を 考えると泡ありと泡なしでは味やアロマに差がでるとは 思えませんが。 |
自家製ビールの泡測定装置と泡立ち&泡持ち全映像!
自家製実験装置(写真) | 泡立ち フロッシング |
泡持ち ヘッドリテンション |
写真をクリックすると動きます ブラウザの戻るで復帰 |
写真をクリックすると動きます ブラウザの戻るで復帰 |
|
レゴを使用して作成しています 350mlビール缶専用です。 缶を水平に対して11°まで傾けられます。グラスと注ぎ口の高さはブロックで調整できます。 |
注ぎ時間は3秒間です。 10秒間を40秒に引き伸ばしいています。 (0.2秒おきに撮影) |
注ぎ時間は3秒間です。 400秒間 を40秒間に縮めています。 (5秒おきに撮影) |
肉眼レベル(金麦) | 大きな泡(金麦) | 大きな泡X5(金麦) |
比較的、均一で中程度の 大きさの泡です 六角形の泡が多い気が (グラスとの界面) |
大きく発達した泡 レンズで拡大 大泡の奥に多面体の 泡が見えるか? |
大きく発達した泡 の拡大撮影 大泡に六角形が! |
小さな泡の拡大1 (プレミアムモルツ) |
小さな泡の拡大2 (プレミアムモルツ) |
微細な泡の200倍 (グーデンカルロス トリペル) |
左上の大きな泡の中 に六角形がある |
泡の中に小さな泡が見えるが、中にあるのではなく大きな泡の奥に小泡がある |
ベルベットな泡を真上から 200倍で撮影やっぱり六角形が見える |
油付着グラスでの泡立ちと泡持ち
グラスの内面全体にサラダ油をクッキングペーパーで塗布し。
上のフロッシングやヘッドリテンションの動画とほぼ同一条件
(注ぎ角度11°、温度8℃、注ぎ時間3秒、プレミアムモルツF/UF8A、同じグラス)
でビールを注ぎました。動画との同一経過時間で殆ど差がありません
この測定方法と同様のやり方で、種々のグラスと泡の関係を検証しています。